洗濯表示のタグを見ても、桶や三角、四角の記号が並び、どこから確認すればよいか迷うことがあります。表示は、家庭洗濯だけでなく、漂白、乾燥、アイロン仕上げ、クリーニングでできる処理の範囲を伝えるものです。記号を一つずつ切り離さず、タグ全体を決まった順で読み、行う予定の処理に対応する記号を確認すると判断しやすくなります。
この記事では、2024年8月20日以降に使われる日本の洗濯表示をもとに、5つの基本記号と付加記号の見方を整理します。衣類によっては以前の表示が付いていることもあるため、古いタグを読むときは消費者庁ページにある過去の表示案内も確認してください。洗濯おけの数字は温度の上限、下線は処理の強さ、四角の中の線は自然乾燥の方法を示します。洗濯機のコースや洗剤の使い方を一律に決めるものではないため、衣類の表示、洗剤・機器の説明を合わせて確認してください。図解は、洗濯表示の読み方や判断の順序をつかむためのイメージです。図中の記号は説明用に簡略化しており、規格で定められた表示記号そのものを再現したものではありません。記号の正確な形と意味は消費者庁の資料で確認してください。
洗濯表示は5つの基本記号を順番に読む

現在の洗濯表示は、5つの基本記号と、それらに組み合わせる付加記号で構成されています。タグを見るときは、まず記号の順番に注目しましょう。一般的な並びは、左から洗濯、漂白、乾燥、アイロン仕上げ、商業クリーニングです。ラベルの形や大きさによって改行されることもありますが、読む順序の目安になります。
それぞれの基本記号は、処理の種類を見分けるための土台です。洗濯おけは家庭での洗濯、三角形は漂白、正方形は乾燥、アイロンの形はアイロン仕上げ、円は商業クリーニングを表します。記号の中や下に数字・点・線・文字が加わると、温度や処理の強さ、使える処理の種類などを読み取れます。
表示の目的は、衣類の取扱い中に回復できない損傷を起こさないための情報を示すことです。そのため、表示は「この方法で洗うと最もきれいになる」という推奨手順ではありません。記号が許容する範囲を確認し、その範囲を超えないように処理を選ぶための案内です。たとえば、上限が40℃と示されている衣類を、汚れが強いからといって高温で洗う判断はできません。
一つの記号だけで洗濯全体を決めないことも大切です。洗濯できる表示でも漂白できない場合があり、家庭洗濯できてもタンブル乾燥は禁止という組合せもあります。漂白や乾燥を行わないなら、その記号が直接の判断に関係しないことはありますが、洗濯から仕上げまでの流れを考えるときはタグ全体を確認しましょう。この表示体系で定める5つの基本記号のうち一つが記載されていない場合、その記号が示す処理はすべて可能とする規定もあります。ただし、タグが破損して読めない場合や、表示の一部が剥がれている場合に、記号が「省略されている」と自己判断できるわけではありません。欠損や読み取りにくさがある場合は、処理を始める前に販売元や専門店へ確認しましょう。基本記号と記号の順序は、消費者庁「洗濯表示(令和6年8月20日以降)」で確認できます。
洗濯おけの数字と線から家庭洗濯の範囲を読む

洗濯おけの記号は、家庭で洗えるかどうかと、洗うときの上限温度や処理の強さを示します。おけの中に数字がある場合、その数字は洗濯液の温度の上限です。30とあれば30℃以下、40なら40℃以下で洗うという読み方をします。数字を「この温度まで上げる必要がある」と受け取ったり、数字より高くしてもよいと考えたりしないようにしましょう。
おけの中に手の形がある記号は、手洗いによる洗濯処理ができることを示します。おけの中に数字がある洗濯機洗いの表示と、手の形の表示を見分けてください。手洗い表示の衣類を、洗濯機の「手洗いコース」へ入れてよいかは、衣類表示だけでは判断できません。洗濯機の説明書がその表示の衣類に使えると示しているか、衣類の形や装飾を含めて慎重に確認します。
洗濯おけの下に引かれた線は、線のない同じ記号より弱い処理を表します。一本線は弱い処理、二本線は非常に弱い処理です。線が加わるときは、温度だけでなく洗い方も合わせて考えます。洗濯機のコース名はメーカーごとに異なるため、「おしゃれ着」「ソフト」などの名称だけを見て表示と同じ強さだと決めることはできません。取扱説明書でコースの内容を確認し、該当する衣類に使用できることを確かめてください。
おけに×が重ねられている場合は、家庭洗濯ができない表示です。洗濯機だけでなく、手洗いも含めて家庭での洗濯処理を行わず、商業クリーニングの記号を確認します。洗濯おけに手の形がある記号は手洗い、×は家庭洗濯不可です。汚れが気になっても、表示に反して水をつけたり、部分洗いを試したりする前に、別の処理表示や専門店への相談を検討してください。
洗濯表示の温度や処理強度は、洗濯機のコース、洗剤の量、洗濯物の量を自動的に指定するものではありません。洗剤は製品の表示どおりに使い、洗濯機には機器の上限を守って入れます。衣類に付記された注意も洗濯表示と合わせて確認してください。
表示の数字と手洗い・洗濯不可の内容は、消費者庁の洗濯処理記号の説明に整理されています。表示の意味を確認したうえで、洗濯機や洗剤側の取扱説明も参照するのが基本です。
三角形の記号で漂白剤の種類を確認する

この図は「漂白可」「酸素系のみ可」「漂白剤は使わない」の三つの選択肢を抽象的に並べた説明用イメージで、正式な洗濯表示記号を示すものではありません。三角形は、衣類に対する漂白処理の可否を示す基本記号です。三角形の中に何もない表示は、塩素系・酸素系の漂白剤による処理ができます。三角形の中に斜線が2本ある表示は、酸素系漂白剤による処理はできますが、塩素系漂白剤は使えません。三角形に×が重なっている表示は、漂白処理ができないことを表します。
| 三角形の表示 | 読み方 | 確認すること |
|---|---|---|
| 無印 | 塩素系・酸素系漂白剤を使える | 漂白剤の用法と使用量を確認 |
| 斜線2本 | 酸素系漂白剤は使えるが、塩素系は使えない | 製品が酸素系か確認 |
| × | 漂白処理はできない | 漂白剤を使わない |
「酸素系なら何にでも使える」という意味ではありません。衣類の三角形表示が酸素系を許可していても、洗剤や漂白剤の製品表示で対象素材、使用方法、つけ置き時間などを確認します。色柄物に使えると説明された製品でも、衣類の色や加工によって変化する可能性があるため、製品表示の注意事項を守りましょう。漂白剤の種類を自己判断で混ぜることも避けてください。
洗濯おけの表示と三角形の表示は別の処理です。家庭洗濯できる服でも漂白はできない場合があり、漂白可能でも洗濯温度や洗濯機の強さには別の上限があります。シミを落としたいときは、三角形だけで処理を決めず、洗濯おけや乾燥表示、汚れの種類、製品の説明を合わせて見ます。どの薬剤を使うべきか分からない場合は、いきなり目立たない場所で試すのではなく、製品メーカーや専門店へ問い合わせる方法があります。
三角形と斜線・×の組合せの意味は、消費者庁「漂白処理記号」で確認できます。表示と製品表示の両方が許容する場合に限って、案内に沿って使用してください。
四角の記号で乾燥方法と温度を読み取る

正方形は乾燥処理の記号です。正方形の中に円がある場合はタンブル乾燥、正方形の中に線がある場合は自然乾燥の方法を示します。まず円があるかどうかを見て、次に点や×、線の方向と本数を確認すると読み違えを減らせます。タンブル乾燥と自然乾燥を同じ意味だと考えず、それぞれの記号で可否を判断しましょう。
正方形の中に円があるタンブル乾燥の記号は、点の数で乾燥温度の上限を示します。2点は高温乾燥で排気温度の上限80℃、1点は低温乾燥で上限60℃です。円に×が重なる表示は、タンブル乾燥ができません。家庭用乾燥機の設定名称や温度表示が記号と同じとは限らないため、機器の取扱説明書で対応する設定を確認します。
正方形の中の線は自然乾燥の方法を示します。縦線はつり干し、横線は平干しです。一本線は脱水を行った後に干す方法、二本線は脱水せずにぬれた状態で干す方法を表します。たとえば縦線が二本ならぬれつり干し、横線が二本ならぬれ平干しです。線の本数だけを見ず、縦か横かを一緒に確認してください。
正方形の中の斜め一本線は、日陰干しを表します。この斜線はつり干し・平干し・ぬれ干しなど、基本となる自然乾燥記号に組み合わせて読みます。斜線だけで干し方を決めず、正方形の中にある縦線・横線と線の本数を確認しましょう。日陰干しの指示がある場合、直射日光を避けて乾かす場所を選びます。干す向きや衣類の形に関する補足がタグに文章で付いていることもあるため、記号の周りも読んでください。
洗濯後に脱水できるか、どの程度ぬれたまま干すかは、衣類の形や素材にも関係します。表示がぬれ干しを示す場合は、脱水を前提にした干し方へ変えず、洗濯機や手作業で無理に水分を抜かないようにします。乾きにくいからといって、タンブル乾燥禁止の服を乾燥機に入れるのも避けてください。自然乾燥の記号とタンブル乾燥の点・×は別々に照合します。
正方形、円、点、縦横線、二本線、斜線の説明は、消費者庁の乾燥処理記号に掲載されています。数字や温度の意味は記号によって異なるため、丸の中の点を洗濯おけの数字と同じように読まないことが大切です。
アイロンと円の記号で仕上げ・クリーニングの範囲を読む

アイロンの形は、家庭でのアイロン仕上げ処理を示します。記号の中にある点は、アイロンの底面温度の上限です。点が3つなら210℃、2つなら160℃、1つなら120℃を限度としてアイロン仕上げができます。点が多いほど高い温度まで許容されるという順序で読みますが、上限を超えてよいという意味ではありません。アイロン形に×が重なっていれば、アイロン仕上げ処理はできません。
アイロンを使用できる表示でも、しわが気になるからと高温にしたり、スチームやあて布の条件を表示に反して変えたりしないでください。衣類やアイロン本体に付いている説明を確認し、温度設定が表示の上限を超えないようにします。タグの近くに「スチームなし」や「あて布使用」などの付記用語があるときは、記号だけでなく文章の指示も読みます。
点は乾燥記号とアイロン記号の両方に使われますが、温度は基本記号ごとに異なります。正方形の中の円にある点はタンブル乾燥の上限温度、アイロン形の中の点はアイロン仕上げの上限温度です。同じ点の数でも意味を隣の記号へ移さず、どの基本記号の内側にあるかを確かめてください。
円は商業クリーニングの記号で、専門店で行うドライクリーニングやウエットクリーニングの処理を示します。円の中の「P」や「F」はドライクリーニングに使用できる溶剤の種類に関する表示、「W」はウエットクリーニングに関する表示です。これらは家庭で薬剤を選ぶための記号ではありません。内容を自己流で読み替えず、タグをクリーニング店へ見せて、対応する処理を確認するために使います。
円の下に一本線がある場合は、線のない同じ記号より弱い処理、二本線は非常に弱い処理を表します。円に×があるときは、その円が示す処理ができません。たとえばドライクリーニングの記号に×があっても、別に表示されたウエットクリーニングの処理まで一律に不可とは限らないため、それぞれの円記号と付加記号を分けて確認します。
家庭洗濯不可の表示がある衣類は、水洗いせず、円の記号にある文字や線、×を確認します。適合する処理が表示されているか分からない場合や、処理の選択に迷う場合は、衣類の素材・状態とタグを店へ示して相談してください。表示を無視した処理を依頼したり、円の記号を根拠なく一つの方法へ決めつけたりしないことが大切です。
アイロンと商業クリーニングの記号の意味は、消費者庁のアイロン仕上げ・商業クリーニング処理記号で確認できます。店へ相談するときは、タグの記号と付記用語をまとめて見せましょう。
洗濯前にタグと衣類の状態を確認する

洗い方を決める前に、タグ全体と衣類の状態を一度確認しましょう。基本記号を左から読み、行う予定の処理に関係する記号だけでなく、洗濯機・漂白・乾燥・アイロン・商業クリーニングの条件をひと通り見ます。タグが服の内側に折り込まれている場合は広げて、記号の並びや文字が読める状態にします。
記号だけで表せない取扱い方法がある場合、タグには任意の付記用語が添えられることがあります。「洗濯ネット使用」「裏返して洗う」「弱く絞る」「あて布使用」などの文章があれば、記号に加わる注意として読みましょう。洗濯表示は基本記号だけを確認すれば終わりではありません。タグにある文章と、洗剤・洗濯機・アイロンなど使用する製品の説明も合わせて確認します。
次に、衣類の汚れや傷み、ボタン・ファスナー・プリント・装飾などを見ます。襟や袖口、ポケットの周りの汚れ、飾りの緩み、目立つほつれなどがある場合は、その状態をふまえて家庭で扱うかを考えます。シミの種類が分からないときに強くこすったり、複数の薬剤を重ねたりすると、色や風合いに影響する可能性があります。表示と製品説明だけでは扱いが決められない場合は、無理な処理を始めず、販売元や専門店へ相談してください。
表示が家庭洗濯を許容し、衣類の状態にも問題がなければ、洗濯おけの温度と線を確認したうえで洗い方を選びます。手洗い表示なら手洗いの方法を、洗濯機で洗える表示なら機器の説明に合うコースを確認します。家庭洗濯不可の表示がある場合は水洗いせず、商業クリーニングの円記号を確認して店へ相談します。汚れや装飾、素材の状態から判断に迷う場合も、自己判断で家庭洗濯へ進めず、タグを見せて相談する選択肢があります。
タグの文字が薄い、表示の一部が剥がれている、洗濯表示が見当たらないなど、判断の根拠を読み取れない場合は、似た衣類の写真や一般的な手順だけで処理を決めないでください。表示が一部欠けていることと、規格上その記号が省略されていることは別です。欠損や読み取りにくさがある場合は、処理を始める前に販売元やクリーニング店へ確認しましょう。消費者庁の洗濯表示の説明では、付記用語やラベルの扱いも確認できます。
衣替え後に服を洗い、乾かし、しまう順序を確認したい場合は、衣替え後の服をきれいに保管する基本記事も参考になります。こちらの記事では、洗濯表示を読み、洗う前に次の処理を選ぶ判断を中心に扱いました。
洗濯表示を読むときは、基本記号の順を押さえ、数字・点・線・文字・×を各記号に対応させて確認します。そのうえで、タグの文章と衣類の状態を合わせ、家庭で洗う・手洗いする・店へ相談する次の行動を決めます。まずは手元の衣類を一着選び、洗う前にタグと気になる部分を確かめるところから始めてみてください。




